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税理士試験の合格点 60%神話は信じていいのか 税理士試験の概要

No 155 税理士試験、合格点 Cw100122

税理士試験での合格点については、国税庁によれば60%の正答となっています。しかし、実際には60%ではとても合格などできないという声が多いようです。「ホンネとタテマエ」「公式と非公式」の間に乖離があるのはよくあることですが、本当のことがわからなければ、正しい対策を講じることはできません。税理士試験の合格点は実際どのようになっているのか、どうすれば合格点を取ることができるのかについて見てゆきましょう。

国税庁「税理士試験の概要」では60%

税理士試験でどのくらいの得点が合格点になるのかについては、本家本元の国税庁ホームページにある「税理士試験の概要」内に基準が挙げられています。


(ここから引用)

税理士試験の概要

(1) 目的

 税理士試験は、税理士となるのに必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することを目的として行われます。

(2) 試験科目

 試験は、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目と税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。)について行われます。

 なお、税理士試験は科目合格制をとっており、受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよいことになっています。

(3) 合格

 合格基準点は各科目とも満点の60パ-セントです。

 合格科目が会計学に属する科目2科目及び税法に属する科目3科目の合計5科目に達したとき合格者となります。

(ここまで引用)

<引用:国税庁HP税理士試験情報 税理士試験の概要>


『(3) 合格』に「合格基準点は各科目とも満点の60%」とあります。これを読めば、税理士試験の各科目は60%の正答で合格点になるというふうに理解してよさそうです。しかし、実際に税理士試験を受験した方でこれを信じている人は、ほとんどいないといわれています。

実際のデータを見てみると

ここで、「資格の大原」が公開している『第67回税理士試験 データに基づく最新合格ラインの読み・正答率・難易度・得点分布表』から、科目ごとにボーダーラインと合格ラインの正答率をデータから拾ってみましょう。


簿記論

ボーダーライン:58% 合格ライン:66%

財務諸表論

ボーダーライン:64% 合格ライン:70%

所得税法

ボーダーライン:57% 合格ライン:69%

法人税法

ボーダーライン:55% 合格ライン:62%

相続税法

ボーダーライン:81% 合格ライン:87%

消費税法

ボーダーライン:75% 合格ライン:82%

酒税法

ボーダーライン:90% 合格ライン:96%

国税徴収法

ボーダーライン:66% 合格ライン:74%

住民税

ボーダーライン:78% 合格ライン:86%

事業税

ボーダーライン:78% 合格ライン:82%

固定資産税

ボーダーライン:71% 合格ライン:81%


これらを見ると、正答率60%でなんとか合格点に達することができそうなのは「簿記論」「所得税法」「法人税法」くらいのもので、「酒税法」にいたってはほとんど満点をとらなければ合格できません。全科目の合格ラインの平均は約77.7%となっており、実際に税理士試験を受験した方たちの「60%では合格できない」という感触は正しいといえそうです。

税理士試験は実質的に相対試験

予備校に通って勉強している方なら、講師から「上位10%に入らなければ合格できない」と何度も言われているはずです。もちろん非公式の発言ですが、受験生の膨大なデータを解析して対策を講じている予備校の見解ですから、税理士試験の実態を示していると考えてよいでしょう。つまり、税理士試験は基準点を超えれば合格できるというものではなく、上位10%に食い込まなければ合格できない相対試験なのです。先程のデータから拾った合格ラインの平均値は77.7%でしたが、上位10%に入るためには90%以上の正答率がなければ厳しいでしょう。

税理士試験の配点や、自分が何点とれたかなどの情報は開示されていません。また、すべての問題が公平に採点されているのかも不明です。採点方法と自分の得点がわからない、ブラックボックスのような税理士試験で合格点を取りたいのであれば、普通に頭から問題を解いていては難しいでしょう。そもそも全ての問題を解き切ることすら難しいのが税理士試験です。自分が高得点を取れそうな問題や配点が高そうな問題を見つけるとともに、適切な解答方法を選ぶというような戦略的な手法で1点でも多く得点できるようにしなければ、合格点には程遠いといえます。

まとめ

「税理士試験はどのくらいの得点で合格できるのか」の結論は、正答率60%ではおぼつかないということです。上位10%が合格できるという現実を見据え、正答率90%にどうすれば近づけるかを考えなければ、いつまでたっても税理士試験で合格点を取って税理士になることはできません。しかし、戦略的な受験勉強と解答方法を実戦することで、1科目ずつ攻略していけば大丈夫です。また、本試験の受験を重ねることで経験知が高くなり、実戦にも強くなれます。なにより、9割が不合格になる試験にチャレンジしようとしている、自分自身の志の高さは誇ってよいものではないでしょうか。努力が稔り、栄冠を手にされる日が来ることをお祈りしています。

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2018年3月1日